日生劇場初日に行って参りました!
いやいや、赤坂ACTシアターでのMY楽から今日まで…長かったです。

悶々と浸りこんでましたからねぇ…


まずロビーに入ったらコムちゃんとマコちゃんとすれ違います。
うおー
コムちゃんちっさい。超可愛い。
マコちゃんと並んで歩いてて娘役さん2人かと思うくらい可愛かったよぉ。
髪もふんわりまいていて、髪型でいったらアタック№1の早川みどり風?(…)
いやーホントかわいかったです。
顔のつくりからしたらマコちゃんの方が目がぱっちりしてて美人さん顔なんですけどね。
コムちゃんくらいの薄味な顔が好きです。ハイ。
(ま、輪をかけて薄い春野ファンのたわごとですよ…)


そんなかわいいコムちゃんの目撃後は
真矢みきさん登場です。
ほへー。
なんていうか存在感ありまくりですね。
後ろ姿から一般人と違うオーラがビンビン放たれてました。
それなのに一般客とおなじ化粧室の行列に並んでしまうのね…素敵です。
(結局係員に案内されて別の化粧室に案内されていましたが)


で。
開演前にコムちゃんが「アレ(=マルグリットの緞帳)まばたきするんだよー」とマコちゃんに教えてあげていたそうですよ。
マコちゃんが「うそだーーーーー」と言ってるのを「ほんとだって!!」と必死に言ってたとか。

かわいっす…コムちゃん。


と、愛すべき同期(春野さんの、です)の話はここまでにしておいて。
マルグリット。約3週間ぶりのマルグリットです。


私は観ていないのですが、
梅田千秋楽で一つの完成型を作り上げた熟練された香りと
また別の会場で初日を迎えるにあたっての硬質さが一つになってしまった
何ともいえない(笑)舞台でした。

素晴らしかったんです。
赤坂ACTから進化を遂げていました。
カンパニーの結束力というか一つのもの一つのシーンを生み出すパワーが凄まじかったです。
リンチシーンも迫力が出てまして。
ACTの時はまだ遠慮が垣間見えてしまったし、春野さんもきれいに形を作っているように感じたので
ショーアップされてしまったがために悲劇性が薄まっていたんですよ。
梅田を経て日生でのリンチは激しかったです。でもって辛かったです…。

そんな状況下に置かれても、一途にアルマンだけを思い続けてたマルグリットが可哀想で不憫で…もお。(涙)


愛し合ってました。マルグリットとアルマン。
最初から、最後まで二人の間に愛が見えました。
出会いはガッチガチでしたが(笑)
冒頭のパーティシーン、
万里生くんの緊張がものすごく伝わってくると同時に
春野さんが余裕すぎるのか男前になっちゃっていたのがすごく残念でした(苦笑)
綺麗で華やかなんですけどね。
JAZZTIMEは色気皆無になってたような…
でもってやっぱり40歳には見えません(笑)落着きが足りないせいか…?
華やかだけどそういう齢を重ねた貫禄は不足していたかも。
可愛かったんですけどね。(※超贔屓目です)

さすがにオットーがJAZZTIMEを中断させてからのマルグリットは大人の女の色合いを見せています。
歌を歌わなくなった(=歌えなくなった)けれども歌を愛してるのがすごく伝わってくるんですよね。
チャイナドール。
そのがんじがらめの封印を解いてくれたのがアルマンなわけですよ。
また万里生アルマンのピアノの素晴らしいことと言ったら!!
「なんでそんな風にひけるの?」ってマルグリットも笑顔満開ですよ。
たまにとても寂しそうにこの台詞を言うときもあるんですけどね、
初日のマルグリットはすごくうれしそうでした。
私の大好きな音楽を奏でてくれる人に巡り合えた!という喜びを隠しきれない様子です。

だからねー
たとえ吊り橋の上の恋であったとしても
マルグリットは惹かれる要素がちゃんとあったんですよ。
蜜月場面の代わりにアルマンがピアノとか弾いてたりするといいんですけどね。
その傍らでマルグリットが小鳥のように歌うとか。(妄想)

小鳥のさえずるような綺麗なソプラノを聞かせてくれる2幕のベッドの上のマルグリットの歌声が大好きです。
その前の公園デートシーンはさることながら。
この公園デートも赤坂とはまるで変わっていましたね。

ただのラブラブバカッポーではなくなってました。(それはそれで残念…)
ちゃんと周りを見て警戒してるんです。マルグリットは。
(アルマンは相変わらずマルグリットの白くて柔らかい手に夢中でしたが…)
この二人の対比が二人の立場の違い年齢の違いを顕著に表わしていてとても良かったです。
ACTではアルマンが手を差し出して〜マルグリットが手を繋ぐんだけど…やっぱり手を離しちゃうのは
あははうふふ場面に見えてしまったんですけど(頭がイカレてたのかも…)

人目を避けてアルマンに会おうとするマルグリットの幸せの中に隠しきれない不安と、ただマルグリットと会えるアルマンの喜びと
戦争で敵軍に支配されている状況下でも風向きを読んでなんとか生きのびていこうとするフランスの市民の強かさと。
それから自分がドイツ人であることによって素直にマルグリットを向き合うことができず
彼女の心を自分に向けさせることができない不器用なオットーのジレンマと。

様々な思いが交錯して絡み合ってるんです。


市民の歌うDayByDayの重たさの中で春野さんの透明なソプラノが儚くて清らかで浮き立つんですよね。
だからこそこの後の悲劇がより一層引き立つわけなんですけど。


売女で娼婦でインバイな生き方をしてきて、それでも純潔な魂で一人の男を愛そうとする一人の女。



彼女はオットーにもアルマンにもシンパシー感じるようなすごく優しくて懐の深い女性なんですよ。

「俺は何をしているんだ」
「私たち2人ともね…」


「君が僕をダメにするんだ!」
「私たち、お互いをダメにしてるんだわ!」


実際寺脇オットーがあまりにも不器用なだけでものすごいマルグリットを愛してるのが分かるだけに
「もぉ…そんなガキンチョアルマンじゃなくてどSのようでどMなオットーでいいじゃんかー」とか思うこともありました。
(…とかいって、今でも思ってます…)
(アルマンもかわいくて好きなんですけど…)
(アルマンと一緒のマルグリットが超可愛すぎて幸せだから好きなんですけど)


時代と立場が真実を歪ませる。

ねじくれてしまった人と人の繋がり。



その中で一人への愛を貫いて彼のことを一心に思い、自分を犠牲にした一人の女。
たとえそれまでの人生が傲慢に満ちて、そして穢れたものだったとしても


目も眩むような白い光に包まれるマルグリットのみすぼらしかった肢体は
何よりも神々しくて清廉さに満ち溢れていたから。


捻じ曲げられても誤解されても踏み躙られても
真実はただ一つ。それに気付くか気付かないか、時間が早いか遅いか…



アルマンはマルグリットの最期に間に合って、よかったんだと、思う。