KEAN見てまいりましたよ。星組副担なもので。
感想も書こうと思ったのですがどうも毒を吐いてしまいそうで上手く言葉が纏まりません。



というわけで、読みたくない方は読まないで下さいね。




とても面白い題材だと思いながら見ていたのですが…、シェイクスピアはそうそうミュージカルの枠の中に納まりきらないのだと思いました。(WSSやこだまっちの冬物語くらい時代や設定を変えてしまうか、いっそ感覚的に受け容れやすい現代劇にしてしまうかしないと難しいのだと思います)
KEANはミュージカルの良さもシェイクスピアの良さも互いが互いを打ち消しあってしまったようなそんなミュージカルでした。
それからイシちゃんと星組生のバランスが悪かったと思うのです。
それぞれがそれぞれの役を好演していても、それがカンパニーとして全員が一つの方向を向いていなければ意味をなさないのではないでしょうか。と思ったのです。

星組下級生達は下級生達でまとまり、上級生は上級生でまとまり、スターはスターだけでまとまる…そしてイシちゃんは孤立奮闘。
場面場面ではきちんとまとまっているのに、全体の流れはバラバラ、という居心地の悪さを感じました。
特に下級生、若い彼らの中、何人くらいがシェイクスピアを理解しようとしたのでしょう?
ダンスや譜面をこなすだけで終始してしまったとは思いませんが、何かが足りない、全然足りてない、と強く思ってしまったわけです。
いつものパワフルで完全無欠な星組を見ていたら、この公演の不甲斐なさはなんともやりきれません。


かくいう私もシェイクスピアは食わず嫌いでなかなか読みませんが(台無し)だからこそシェイクスピアのセリフは歌で流さずにしっかり聞いてその意味を噛み締めたかったです。
いい題材だったとしても、シェイクスピアにさほど愛着のない土壌の日本で人気の出るミュージカルではないとも思いました。
外国からミュージカルを輸入するのもアリだとは思うのですが、日本には日本の作家が多くいるのだから、それらを使ってオリジナルのミュージカルを作るのも90周年を超えて続く歌劇団の役目ではないかとも思うわけなのですが。
(ま作っても役者の魅力に頼りきった「あさき」とかになっちゃう可能性も大有りですが)