日増しに痛さが倍増していってる気がしますが(薄っすら自覚あり)(でも薄っすら)、一種の病気だと思ってください。


しつこいようですが、もう一度宣言しておきます。


私は春野寿美礼全肯定です。
荻田浩一も全肯定です。



そして、JAZZ。



オギーが歌劇の座談会で言っていました。
「(JAZZに限らず)どんな音楽でも、それを好きな人がいて、その好きな人達が色々やっていくうちに色んなことが複雑に生まれてきたけれども(以下略)(ここで略かよ!)」

ジャズ、クラシック、ロック、ポップス、ゴスペル、ラップ、演歌…

数え切れないほどの音楽の種類があって、それぞれに歴史があるわけで、そしてそのそれぞれ音楽を愛してきた人達がいるわけです。
あんまりにも種類があって、良く知りもしないのに、興味がないから、と敬遠したりして…


私の場合はまず「JAZZってどんな曲?」の世界ですよ。
どんなくくりでJAZZになるのかも実は良く分かっていません。感覚で判別してますが。


で、ほんのちょいとカジカジしたJazz歴史をはしょり説明。

元々フランス領、次いでスペイン領、そして南北戦争北軍に占領された…そんなニューオーリンズで生まれたJAZZには、ヨーロッパ的な賛美歌だったり、黒人霊歌だったり、ゴスペル、ブルース、そのほか様々な音楽が混ざり合い生きているわけです。

それぞれの音楽にそれぞれの歴史、それぞれを愛する人たち。全てを呑み込み、貧困や苦難、そして絶望おも紛らわすようにして生まれたJAZZ。
元は歓楽(売春)街の客引きでやる音楽だったとか。それが公娼制度廃止とともにさびれた歓楽街からシカゴへ流れ、今度はギャングの酒場にかくまわれて演奏されたそうです。

賤しい場所に隔離されていたはずの音楽が、広く浸透し愛されるようになっていく。




最初に軽く触れただけの人には何がそんなに魅力なのかわかってもらえないかもしれない。

でも、その奥深さを知ってもう一度味わうように音にリズムに身を委ねる。何度聞いても飽きない。聞くたび毎に違う感覚に襲われる。脳髄に電気が走るみたいに刺激が走ったり、全身が包みこまれるような心地良さを感じたり…




「××さん苦手なんだ」見たこともない人に限ってそんなことを言ったりする。
いや悪口じゃないにしろ、春野さんは「クールそう(冷たそうってことか?)」だとか「ナルシストっぽい」とパッと見の印象や偏見で語られがちだ。素顔が涼しいせいもあると思うのだが、順を追って説明系オモシロトークは上手な割に、自分の心情や葛藤を言葉にしようとするととたんに日本語が不自由になるせいかと……後は目が小さいので表情がわかりづら(黙れ)
しかし一度その柔らかで暖かな歌声に触れ、そのストイックなまでに役に入り込む舞台に触れるうちに、心の棘棘したものがすーっと解きほぐされる様な癒しを感じる日もあれば、励まされるように活力を感じる日もある。そして彼女の真ん中の部分が少し見えたような感覚に陥る時もあれば、客席と舞台全ての空間がシンクロする瞬間もあったりする。



ああ、もうJAZZそのものではないか。
春野寿美礼が。

ニューオーリンズで生まれたJAZZは貧困も喧騒も不安も快楽も全て呑み込んで、今も変わらず愛されていく。


春野さんの笑顔は、たくさんの苦しみ、悲しみ、喜びも愛も、そして別れさえも全てを受け止める。
全てを受け止めて、なお微笑む笑顔はしなやかで温かい。




春野寿美礼が、好きだ。