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クリスティーヌに逃げられてしまったエリック。
一番美しく素晴らしい場所だった彼の森は、暗い闇に包まれた地下の水路のほとりだった。
また孤独になってしまった彼はウィリアムブレイクの詩集をそっと胸に抱く。
「僕の心の代弁者」でもある彼の詩は母から愛された記憶だったから
母の愛を思い出そうと、彼はぎこちなく微笑もうとする。
でも、やっぱりクリスティーヌに受け容れて貰えなかった哀しみと引き裂かれるような痛みに支配された心は
簡単には穏やかな微笑みを取り戻させてはくれなかった。
ゆっくりと彼は愛の記憶をたどっていく。
母の笑顔
母のキス
母の腕に抱かれた温もり
そして自分の愛したクリスティーヌと。
クリスティーヌが醜い顔までも愛そうとしてくれたことと。
「僕のクリスティーヌ」
彼女の名前を呼んで、彼はようやく微笑みを取り戻した。
エリックの眼差しの先に眩しい光が見えた。
クリスティーヌ、音楽、母の愛……全ては神様の愛のもとに、エリックに柔らかな光が降り注ぐ。
そこから涙腺決壊してしまい、嗚咽するほど泣いてしまったため、記憶にありません。
困るわ…。