砂の彼方 今も浮かぶ
 微かな思いを 映す蜃気楼
 何もかも 過ぎた 日々に 
 棄てて来た 蒼い夢


 汚れたこの腕に 擁いた面影は
 歪んだ微笑みと 涙のひとしずく


 愛した記憶さえ 罪の重荷ならば
 砂の海に身を投げて 朽ちて行く それだけ


 誰かのために 捧げた命は
 何時しか錆びて 心は軋む


 その日暮らすだけの 這いつくばる人生
 
 
 昨日の自分が 寂しげに笑う



見て来ました。博多座マラケシュ
実はですね、本当に博多行きの日が迫っても全然気持ちが盛り上がらなくてですね…
ナウオンもスカステ映像も最後に見たのはいつだっけ?っていうくらいに気乗りしないまま博多へ。


そして。



再びマラケシュにどっぷり………(笑)


私、あすかのイヴェットが大好きなんです。今も変わらず。
リュドヴィークと2人独走(むしろ暴走)状態、
突っ走って他者を寄せつけないくらい、力の限り愛し合い傷つけあう2人。


この2人の愛が主軸になってしまったばかりに物語が歪んでしまったあのマラケシュ
私はあのマラケシュが大好きです。



そして、今回の博多マラケシュ
マラケシュに留まったリュドヴィークに吸い寄せられるように惹かれ、
絡み合いそして過ぎ去って行く人達。


群像劇として完成されたマラケシュは、ヒロイン不在。
(いやむしろリュドヴィークがヒロインの勢いで)(だってヒーローじゃないでしょう)



誰との繋がりが際立つことはなく、群衆が絡み合い行き交う中で
リュドヴィークだけがまるでこの世に生きるべき人間ではないかのように、ぼうっと浮かび上がる。
ラストシーン、
リュドヴィークの真っ白な魂が夜空に輝く星の中に浮かび上がるように。


そして私はこのマラケシュが大好きです。



ホテルクーペで再会したリュドヴィークとイヴェット。
「ねぇ、この世のことって本当に気まぐれだとは思わない?リュドヴィーク…」


そう言ってリュドヴィークににじり寄るイヴェット。
イヴェットの変わらぬ瞳に思わずその頬に手を伸ばし、そして触れる前に手をひっこめるリュドヴィーク。


僕の手は汚れているから。



貴女は大切な人だから。




なるイヴェットは
癇癪を起こすように、当り散らす様にリュドヴィークに愛をぶつけるしか術のない幼い女。
幼くて弱い心を隠す様に、癇癪を起こして泣くイヴェット。



ねぇ、私、貴方が好きだわ。
どうしようもなく好きなの。


貴方のせいよ!
だから、貴方がなんとかしてちょうだい!



幼くて気が強くてあまりに脆い小娘、イヴェット。


大女優には見えなかったけど、
私はあすかイヴェットが大好きだけど


私はなるイヴェットを必死で護ろうとしたリュドヴィークがとても好き。