「エリック、私の愛しい子よ、かけがえのない宝物」



キャリエールがそう呼びかけると、エリックの瞳は輝き、穏やかな微笑みが浮かんだ。


  僕、知ってたよ、多分そうだと思ってた
  でも、僕の予想はやっぱり当たっていたんだね


真っ直ぐにキャリエールを見つめる眼差しは、無垢な子供そのもの。


辛く暗い日々が昇華されてしまったかのように
時があの日に戻り、優しくて温かな空気が2人の間を支配する。



「それでどう思う?」
強がって微笑んで見せる子供。
一番のコンプレックス、触れられたくないけれど、触れなければきっと傷は癒えずにじゅくじゅくと膿みを持ったまま。


「何をだね?」
父親の経験と大きさは子供が抱えきれない傷を受け止めてくれる。


「自分の子供の顔さ」
他の人が当たり前のようにすることができず、太陽の光を浴びることすら許されなかったことも
稀有な才能と声を持ってしても、オペラ座の舞台に立つ事が出来なかったことも
最愛の人を怖がらせて傷つけてしまった事も

自分の父親が父親だと名乗れなかった事も


全て。


エリックの声に涙が混じり、くぐもった。


「もう少し、マシだったらな」
そんな彼の痛みを受け止めて、受け流す。


穏やかな川の流れのように
流れる川の水は、善悪も愛憎も、全てを飲下し流れてゆく。






正直、今回ゆみオサがっつり見られて、幸せなんです。
カウントダウンなんてしたくないんです。
ゆみこフランツやるなら星組エリザでとうこトートあすかシシィゆみこフランツで見たかった…(素)