エリックが歌うと天使が舞い降りる。

今回、オサさんのエリックの役作りが私には意外でした。
「純粋な人」で役作りをしてると聞いて、
タカコさんのエリックがほよんと浮かんで、なんだやっぱり似たような雰囲気になるのかしらなんて思ってたのですが、
でもそれも想像つかなくて(笑)
ただ、音楽はいいし、オサゆみの銀橋もあるし、絶対に良いに違いない!という期待感だけは日毎膨らむ一方でしたが。


エリック。
無防備なんですね。キャリエールに対しても最初から甘えてる。
仮面で隠れていると、もっとストレスになるかと思ったのですがそうでもありませんでした。
やっぱりDVD等の固定アングルと違い、生舞台は自由に観る事ができるからなんでしょうね。

しかも、5回も見ていたせいなのか仮面に慣れてしまったらしく(爆)
仮面の奥の目の表情もちゃんと見えるんです。
そう、まるでMyTrueLoveそのもの。
 「その瞳 その声は 怯えた思い 隠せない」

オーバーなリアクションも大袈裟な表情を作ることも不必要、
ただそこにエリックの清らかで無垢な魂がありました。

クリスティーヌのMyTrueLoveでは彩音のひたむきさ、懸命さがプラスに作用していました。
そのひたむきな歌声は観客である私の心と同調し共鳴し、
エリックの仮面の下にある傷が浄化され消えてしまうのではないかと思うくらいに
純粋な愛に満ち溢れたものでした。

エリックはあのほんの一瞬、愛に包まれて美しく柔和な表情を浮かべて。
苦悶し、苦悩しながら仮面を取るのではなく、
愛に包まれてエリックは仮面を外す。


残酷な結末を迎えても、彼自身の奏でる音楽は優しく温かい。
彼の歌声に舞い降りた天使たちが傷ついたエリックの心を癒してくれるかのように
温かで柔らかな光を纏った歌声。


エリックはオペラ座のファントムではなくて

神様だったのかもしれないと思うくらい優しさに満ちた声をしていました。


とりあえず、今日はここまで…